1-6 成績の上がる仕組み
「仕組み」を知ろう
☆ 中一レベルの英語力だったK君は、どのようにして、たった8か月で、国公立大学合格を勝ち取ったのか。
☆ 学校で普通のレベルのMさんが、センター試験で高得点を上げ、東京の難関国公立大学に合格したその仕組みとは?
大学受験に合格するレベルとは、どういう状態をいうのでしょうか。
勉強しようと思って机に向かうと、スラスラ勉強がはかどる。学校の試験は、特に、定期テスト対策をやらなくても、実力でスラスラできる。全国模試では、偏差値を10以上も上げる、という状態のことです。
まるで、夢のような話です。
しかし、夢ではありません。たった二つのことを行うだけで、夢は、現実のものとなります。
予習の必要がなく、高度だが分かりやすい授業を受ける。
授業で行った問題の復習を完全に行う。
この二つのことで、あなたが得られることは何でしょうか?
まず、予習で、無駄な時間を省くことができます。
そして、特に全国模試での成績が上がります。
簡単な話です。成績というのは、「予習なし」の優れた授業を受け、それを丁寧に復習すれば、確実に上がるのです。
努力しても成績の上がらない人は、「やり方」を間違えています。
最初から、自分のやり方でやろうとするから、成績が上がらないのです。
「当然でしょ?勉強の仕方は、人によって、レベルによって違うもん!」
確かにそのとおりです。しかし、「受験」勉強に関しては、難関大学に合格した人の8割は、勉強方法が似ています。
「自分なりの勉強」をする前に、しなくてはならないことがあるのです。
それは、大学受験にもっとも有利な解き方、勉強方法で勉強するということです。
大学入試で点を取るためには、もっとも有利で簡単な解き方を聞いて、真似て、それから、徹底的に復習することが大事です。それを繰り返し行う。その上で「自分なり」のやり方にアレンジしていけばよいのです。
上達しない人は、はじめから、自分の方法でやろうとする。
上達する人は、まず真似る。数多く真似る。そして、それが完全に身についてからはじめて、自分の方法をミックスさせていくのです。
受験勉強も同じです。
成績の上がらない人は、はじめから、独自の勉強方法を変えようとはしない。
ダントツに成績のアップしている人は、まず、最も簡単で、かつ優れていて、効率的な勉強方法を真似る。そして、マスターした後に、自分なりの勉強方法をとる。
なぜ、真似てから、自分の勉強方法をとる方が、成績が上がるのでしょうか。
それは、超難関大学に合格するような人の大部分の勉強方法は、「最も簡単で、効率的な勉強方法」で合格しているからです。彼らの勉強方法を真似ることが合格への最短距離といえるでしょう。
「別に、自分は、東大など超難関大学なんて受けるつもりはない。地元の大学が第一志望なのだから。」
そういう人も、わざわざ要領の悪いやり方で、何とか合格するよりも、成功者たちの優れた受験勉強方法を真似て、ダントツで、余裕で上位合格したほうがいいにきまっています。実際、難関大学を受験しようが、そうでない大学を受験しようが、大学入試センター試験の場合、入試問題自体は共通なのだから。
さて、次は、どのようにして真似るのか、詳しく説明することにしましょう。
ダントツに成績アップするための受験勉強方法
勉強は、大学受験に関係のある科目に絞る。
これまであなたは、どのように受験勉強をしてきましたか。
「通信添削」
「中学から通っている塾で」
「学校の勉強だけ」
「学校でもらった参考書」
「考えたことない」
成績の上がらない人というのは、大学受験勉強方法が確立されていません。
行き当たりばったりの勉強をしていたら、成績はいずれ下がります。なんとしても、効率的・現実的な勉強方法を確立したうえで、安心して受験勉強に励まなければなりません。
そのために必要なこと……。
それは、第一志望大学の入試科目だけに絞ることです。
なぜ、第一志望大学の入試科目だけに絞るのでしょうか?
それは、最も効率よく勉強ができるからです。
勉強する科目を、入試科目だけに絞れば、それだけで、第一志望大学の受験勉強に費やす時間が増えるのです。
「でも、第二志望とか、滑り止めの私立大学とか……は、どうするの?」
あなたが行きたいのは、あくまで第一志望大学です。第二志望大学以下の大学については、第一志望大学の受験科日と一致するか、それよりも少ない受験科日で受験できる大学の中から選ぶべきです。
欲張って、沢山の科目を勉強すると、どの科目も「それなり」の得点しか取れなくなって合格できません。大学入試では、平均的にまあ良い成績をとるよりも、2科目くらいダントツに高い得点を取るほうが断然有利です。
高校入試では、学校の勉強も、実技4教科も、部活動も、課外活動も、すべて、平均的に取れている人が、有利でした。
大学入試では、受験科日だけ、しかも、得点だけとれば、合格できます。どこの高校出身か、とか、そういうことは、まったく関係ありません。学校の内申書も関係ありません。
というのも、高校に行かないで、高卒認定試験(大学検定)で大学受験資格を得て、大学受験する人は、内申書自体がないわけで、不公平になるのですから。
もっとも、指定校推薦であるとか、公募推薦を狙っている人は、学校の内申書もあげる必要があります。その場合は、自分が狙っている大学の推薦の判定基準を今すぐ調べておく必要があります。
中には、「高校2年次のみの成績だけを基準とする」
という大学もあるので事前に調べておきましょう。
また、公募推薦にしても、面接、小論文など、対策があります。
「自分をそのまま見せればよい」
といった考えでは、受かりません。
いくらあなたが、高校生活を通して大活躍したことがあっても、それを相手にうまく伝えることができなければ受かりません。
小論文についても、やり方があります。
しかし、推薦をまったく考えていない人は、「第一志望の受験科目の受験勉強だけに絞る」ことが重要です。
もちろん、部活動も頑張る、学校祭でも頑張る、それは、人生においてとても有益です。
しかし、いま最優先されるべきことは、「第一志望の受験科目だけ」を集中的に勉強することです。
本気で、本命の大学に合格したいという気持ちがあるのならば、そのことを、常に「第一優先」で考えることを忘れないようにしましょう。
方法は簡単です。まず、志望大学を絞る。次に、受験科目を調べる。
そして、その科目だけに集中して徹底的に勉強する。
たったこれだけ。
たったこれだけですが、現時点でこれを実行している人は、少ないのではないでしょうか。
当初は、予想もしていなかったハイレベルの大学に見事合格をした人。彼らは、この極めて単純で効果的な成功法則を知っている場合が多いのです。
大学入試における選択科目。慎重に考えなくていいのか?
学校でたくさん勉強をやったからその科目を受験したほうがいいか?
そんなことありません。
特に、社会、理科の選択科日は冷静に考えなければなりません。
たとえば、社会。理系の人が社会を選択する場合、十分に考える必要があります。世界史と、現代社会の教科書の厚さを比べてください。大学入試では世界史の80点も、現代社会の80点も同じなのです。
でも、たとえばセンター試験の世界史で80点の点数を取るために勉強する時間と、現代社会で80点を取るために勉強する時間は同じと言えるでしょうか?
もちろん答えはノーです。
現代社会の勉強量は、世界史の4分の1です。
しかも、問題のレベルも違う。
世界史を選択する人は、社会が得意な人が多く、難関私立大学受験者をはじめとして、相当の時間をかけて真剣に勉強をやってきた人が多く受けます。現代社会を主選択にする人は、社会が不得意な人が多く、受験のために全く現代社会の勉強をやらないで、受けている人も多くいるのです。それなのに、ある年のセンター試験での世界史の平均点は56。5点、現代社会の平均点は59。5点です。
事実、「自分の選択は、世界史であったが、適当に受けた現代社会のほうが点数が高かったのでショックだった。」という人が少なくありません。
もし、その人が、世界史ではなく、世界史で勉強した時間をすべて、現代社会の勉強にあてていたら……。
もうお分かりですよね。選択科日の選択は冷静に考えるべきです。
単に「今、学校でやっているから」
という理由だけでは、決めないほうがいいのです。
もちろん、たとえば、世界史は大得意で大好き!という人はそれでいいのですが、模試で、現時点で、半分くらいしか点が取れないという人は、今すぐに、選択科目の検討をする必要があるでしょう。
毎年、受験生と接してきて、驚くことがあります。
お正月特訓に参加した生徒の中に、
「えっ、内申書って大学受験では、関係ないんですか?」
「国公立の中期試験と、後期試験、どう違うのですか?」
いずれも、ある地方都市のトップの進学校の生徒です。
でも、冷静に考えてみると、それも、無理もありません。
大学入試制度は極めて複雑で、しかも、ちょうど今の年代は、変革期で、さっばりわからない。だから、それらの情報を学校の先生や、関係者すら、正確に把握できない場合が少なくないのも仕方ないことです。
ましてや、生徒にいたってはなおさらです。予備校に行っても、情報をたくさん提供するのはいいけれど、「あとは、自分たちで分析してね。」で終わり。受験勉強に集中したいけれど、同時に、入試制度についても、しっかりと知っておかなければならない。大変ですが、自分の将来に関わることなのだから。
いまは、インターネットで、各大学の情報や、難易度といった情報を瞬時に無料で見ることができます。情報を入手するのは、カンタン。しかし、重要なのは、その情報をどう見ていくか、その見方なのです。
15年前なら、情報をたくさん持っている大手予備校は、受験生にとって貴重な存在でした。しかし、今は、情報は、無料でインターネットによってタイムリーに見ることができます。ですから、情報自体の価値はそれほど大きくない。どこででも、簡単に手に入れることが出来ます。
いま、重要なのは、それらの氾濫する情報をどのように見て、どのように分析していくか、に尽きます。
その情報を分析してあなたに適切なアドバイスを与えて、受験を有利に導く。そんな受験情報のアドバイザーは、まだまだ、多くはありません。